#180「すゞしさや鐘を離るゝ鐘の声」“Yosa Buson, Poet Master of drawing space”
Poetry Masters of Edo Matsuo Basho drawing time and Yosa Buson drawing space
すゞしさや鐘を離るゝ鐘の声 与謝蕪村
(すずしさや かねをはなるる かねのこえ) よさ・ぶそん
与謝蕪村は江戸時代中期に活躍した俳人・文人画家で、松尾芭蕉・小林一茶とともに「江戸の三大俳人」に数えられた人物です。画の才能も素晴らしく、俳諧(はいかい)と画を融合させた「俳画」の創始者でもあります。
宇宙物理学者 佐治春夫先生は著作の中で、芭蕉は、深まりをつくる「時間的作家」、蕪村はひろがりをつくる「空間的作家」とご紹介されております。
本日は僕にとってみれば、これこそ空間音楽の始祖ともいうべき与謝蕪村の一句をご紹介させていただきます。
す 夏の夜明けの透明さ
ゞ
し 涼しい空気を肌に感じていると
さ
や お寺の鐘が鳴る
鐘
を 鐘の音は、巨大な鐘そのものの中で反響し
離
る 大きな音の塊となって空間に解き放たれていく
ゝ
鐘 夜明けの光の訪れを祝い祈る空間の音楽
の
声 そしてその音の消えていく先の広がりが心に響く
お仏壇の鐘を鳴らす時、その音を静かに聴いていると、ゆらゆらと次第に消えていく先にご先祖がいるのではないか、などと感じたことがあります。音を鳴らすことの祈りを、この現代で皆さんと共有できたら幸いです。
Written by IMD, JP
Yosa Buson, Poet (1716-1784)
When the sound leaves the bell
Coolness is created all around (us)
To me, this poem is the core of my music, as drawing sound into space.
May you experience the coolness in the season of hot summer
Basho and Buson (shortened explanation presented by Haruo Saji, astrophysicist )
The difference between the two masters, Basho and Buson, is explained as follows
Basho`s poetry is guiding us through time
Buson`s poetry is drawing the space.
楯直己・Naoki Tate - Ambient Voice Scape
Naoki Tate Web Site
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